加速する日本と欧州の宇宙協力が切り拓く新時代
- Mugen Links

- 7月10日
- 読了時間: 4分
日本の宇宙産業はいま、大きな転換点を迎えています。国内での技術革新に加え、特にヨーロッパとの国際連携が加速しているのです。世界の宇宙経済が広がるなかで、日本と欧州の宇宙機関や企業が協力し合うことで、科学、安全保障、商業利用などさまざまな分野で新たな可能性が生まれています。
私たちMugen Linksは、この変化をただ見守る立場ではありません。GReD社といったパートナーとともに、次なる宇宙協力の時代をともに切り拓いています。
日欧の連携がもたらすチカラ:宇宙で結ばれるパートナーシップ

日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)は、長年にわたって連携を続けてきました。たとえば、水星探査ミッション「ベピ・コロンボ」や、国際宇宙ステーションでの共同研究がその代表例です。
そして2024年末には、ESAとJAXAの間で協力関係を一層深める新たな協定が締結されました。これにより、小惑星アポフィスへの探査を目指すESAの「RAMSES」ミッションなど、共同プロジェクトが加速する見込みです。打ち上げ機会や重要技術の共有、共同研究が進められ、真の対等なパートナーシップが実現しつつあります。
また、大型ミッションに限らず、地球観測の分野でも日欧の協力は進展しています。2023年には、欧州委員会と日本の経済産業省が合意を交わし、EUの「コペルニクス計画」と日本の地球観測衛星との間で、相互にデータを共有できる仕組みが整いました。
この連携により、気候変動の監視や災害対応といったグローバルな課題に対し、両地域のデータ品質と精度が向上し、より実効的なソリューション提供が可能になります。
「この取り決めにより、双方にとって大きな利益がもたらされます。日本のエンドユーザーは、コペルニクスのデータにより簡単にアクセスできるようになりますし、欧州のコペルニクス・エコシステムも、日本の非商用地球観測衛星のデータを活用できるようになります。」
(ティエリー・ブルトン 欧州委員 内市場担当委員)
産業界の連携:中小企業にとっての新時代

宇宙開発の土台を築くのは各国の宇宙機関ですが、実際に動きを加速させているのは企業間のパートナーシップです。EU・日本間で実施されている「宇宙分野日欧パートナリング支援ミッション」や「Space Japan Industrial Partnership Service」といった取り組みは、日欧の企業同士のR&D協業や技術移転、新市場開拓を後押ししています。
私たちのような中小企業(SME)にとっては、こうしたプログラムを通じて最適なパートナーを見つけ、アプリケーションの共同開発や海外展開の足がかりを得ることができます。衛星測位、地球観測、宇宙通信などの分野でのイノベーション創出には、まさに欠かせない支援です。
2025年に開催される「Space Business Mission in Japan」などの展示・交流イベントでは、企業同士の出会いが促進され、欧州企業が日本の産業界とつながる機会がさらに増えています。
GReD社との協業:精密測位技術でつなぐ世界

私たちの大切なパートナーの一社である GReD(Geomatics Research & Development Srl) は、日欧協力のなかで活躍する専門性の高い企業の一例です。イタリアのミラノ工科大学のスピンオフとして設立されたGReDは、GNSS(全地球航法衛星システム)による監視技術や、重力・磁場データ処理に特化した高度なソリューションを開発しています。
GReDの技術は以下のような応用が可能です:
地震多発地域における地盤・構造物の継続的な変位監視
低コストGNSS受信機を用いた大気・気象観測
重力・磁場データを活用した地球物理学的探査

こうしたGReDのアプローチは、研究開発と実用性を両立しており、日本が注力する防災・インフラ監視分野とも非常に親和性が高いのです。日欧での地球観測データ共有の枠組みのなかで、GReDのGNSS・測地技術を活かすことで、早期警戒システムや環境モニタリングのさらなる高度化が期待できます。
未来に向けて:より深い連携への可能性

日本の「ものづくり」や強靭性、ヨーロッパのデータ基盤と制度設計――それぞれの強みが交差するいま、イノベーションの土壌はこれまでになく豊かです。
Mugen Links、日欧連携の波は次のような機会をもたらしています:
新たな市場・研究ネットワークへのアクセス
防災、インフラ監視、データセキュリティ分野におけるソリューションの共同開発
グローバル規模のミッションやデータ共有プロジェクトへの参画
宇宙産業がますますボーダーレスに、そして相互依存的になっていくなかで、Mugen Linksはこの変革をけん引し、そこから得られるチャンスを最大限に活かしていきます。
宇宙開発の未来は、もはや「国際的」であるだけではなく、「相互的」な時代です。
そして私たちは、ヨーロッパと日本のパートナーとともに、その未来を共につくっています。
パートナーシップこそ、最大の打ち上げ台なのです。




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