ラトビア発スタートアップ「Sprayify」に聞く!次世代抗菌コーティングの革新
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- 2025年11月27日
- 読了時間: 7分
Sprayify(スプレイファイ)は、ラトビア発の新進気鋭スタートアップとして、持続性に優れた次世代抗菌コーティングを通じて、私たちの「表面保護」の概念を大きく変えようとしています。
今回のインタビューでは、同社が解決しようとしている技術的なギャップ、最新の研究開発を支える背景、そして製品開発に込められたサステナビリティの思想についてお話を伺いました。
さらに、共同創業者であるRihards Ruska(リハルツ・ルスカ)氏には、日本市場で見出している可能性や、ILS2025への参加がSprayifyのグローバル戦略にどのように結びついているのかについても語っていただきました。

まずは、Sprayifyの紹介と、御社の技術が業界で際立つ点を教えてください。
リハルツ:もちろんです。Sprayifyは、長期的かつ継続的に表面を保護する次世代型の抗菌コーティングを開発しています。実際の使用環境において、当社の製品は最大6か月にわたって効果を発揮しており、一般的な消毒剤を大きく上回る持続性を示しています。従来の消毒剤が数分しか効果を保たないのに対し、当社のスプレー式コーティングは、表面に保護層を形成し、長期間にわたって微生物の増殖を抑える点が特徴です。
現在は2つの製品を展開しています。細菌・ウイルスに効果を持つ抗菌コーティングの「Dezosil(デゾシル)」と、カビの発生を防ぐために設計された抗真菌コーティングの「Fungosil(フンゴシル)」です。化学、物理学、経済学など多分野の知識を持つチームが、効果的かつ幅広い表面に簡単に適用できるソリューションを開発しています。

また、この技術は抗菌用途における効率性と持続可能性をどのように高めますか?
リハルツ:私たちのコーティングは、現在の消毒方法が抱える大きな課題を解決します。一般的な消毒剤は多くの表面に使えますが、長期的な保護ができません。一方、UVライトは持続性があるものの、健康リスクがあり、光が届かない部分には効果がないという問題があります。
Sprayifyの技術は、この両方の欠点を補い、安全で長持ちし、日常的な衛生管理の効率性と持続可能性を高めるソリューションを提供しています。
Sprayifyはサステナビリティに強く注力しているようですが、技術や事業戦略にどのように取り入れていますか?
リハルツ:私たちは、サステナビリティを製品の配合から使用方法まで、あらゆる段階で重視しています。特に2つの柱を軸にしています。
「効率性」 最小限の量で最大限の効果を発揮する処方設計
「安全性」 ユーザーと環境の両方に配慮した成分の採用
これにより、製品は高い効果を保ちながらも責任あるアプローチを実現し、長期的な環境目標にも沿ったものとなっています。
急速に進化する技術分野で、Sprayifyはどのように先行していますか?

リハルツ:世界的な動向を常に監視し、継続的なマーケットリサーチを行っています。しかし、単にトレンドを追うだけではなく、自社の研究開発にも積極的に投資しています。
最近では、ラトビア大学固体物理学研究所と「BioPhoT」国家プロジェクトの一環として共同研究を行っています。現在、コーティングの交換時期を視覚的に確認できる「発光性抗菌コーティング」を共同開発中です。これにより、常に適切な保護状態を維持し、よりよい衛生管理を可能にします。
医療、食品安全、製造業など幅広い業界と関わっていますが、どのように各業界のニーズに技術を適応させていますか?
リハルツ:弊社は、各業界のパートナー企業との対話を重視しており、それぞれが抱える課題を深く理解したうえで製品を調整しています。現在の製品や研究プロジェクトの多くは、こうしたパートナー企業との協力によって生まれたものです。
関連分野の研究も積極的に行っており、例えばカーレンタル企業が抱えていたカーマットのカビ問題に対応するため、抗真菌ソリューションを開発した例もあります。
今注目している新しい技術トレンドは何ですか?それらはSprayifyの製品にどう反映されていますか?
リハルツ:特に注目しているのは、スマートコーティングの「自律性」が高まっていることです。これにより、手動メンテナンスの手間が減り、長期的なコスト削減につながります。当社の自動消毒型コーティングもその一例です。
さらに、より高い抗菌性能と耐久性を実現する「セルフクリーニング」や「自己修復」コーティングの研究も進めています。
現在の主な研究テーマは「状態監視型コーティング」で、交換時期を知らせる機能を持ち、より高い信頼性とインテリジェンスを提供できるようになると考えています。
将来的に、Sprayifyの長期的なビジョンは何ですか?
リハルツ:私たちの目標は、表面が「ただ清潔なだけでなく、自らを守る」環境をつくることで、表面保護産業をリードすることです。積極的な衛生アプローチを推進し、効果的で使いやすく、長期間持続する製品の開発に引き続き取り組んでいきます。

Sprayifyが日本市場に惹かれる理由と、ここでどのような機会を探りたいと考えていますか?
リハルツ:日本は品質と精度へのこだわりで知られており、これは私たちの製品開発の姿勢とも非常に近い価値観です。そのため、日本市場には大きな可能性を感じています。
ILSへの参加を通じて、日本の消費者や産業が求めるニーズをより深く理解し、それに合わせたソリューションを提案できればと考えています。また、日本の高度な化学産業から多くを学び、今後の開発にも活かしていきたいと思っています。
Sprayifyの製品と特に相性の良い日本の産業やトレンドはありますか?
リハルツ:はい、日本の湿度の高い気候は、住宅でも産業でもカビや微生物の増殖が継続的な課題になっています。これはまさに、私たちのコーティングが最も力を発揮できる領域です。
現在、輸入業者、販売代理店、研究機関との協業を積極的に模索しており、その他の分野での新たなパートナーシップにもオープンです。

日本の規制基準や顧客の期待にどのように対応する準備をしていますか?
リハルツ:すでにEUの複雑な規制をクリアしているため、日本での展開にも自信があります。初期調査の段階では、日本の規制はそれほど複雑ではなく、過度に規制されていない印象です。
また、SIAA(抗菌製品技術協議会/KOHKIN認証)など、消費者の信頼につながる認証の重要性も理解しています。実証データと高いユーザー評価をベースに、これらの認証を組み合わせることで、日本のユーザーに対してより透明性と信頼性のある情報を提供していく予定です。
どの産業がSprayifyのソリューションから最も恩恵を受けると考えていますか?またILS 2025ではどのような用途を紹介しますか?
リハルツ:微生物汚染が問題となるあらゆる産業に、当社の技術を活用いただけます。特に、衛生が最重要となる食品生産やヘルスケア領域が主要なターゲットです。また、家庭用としての需要も増えており、浴室のカビ対策などで高い関心をいただいています。

技術の実際の効果を示す成功事例を教えてください。
リハルツ:多くのお客様から嬉しいフィードバックをいただいています。例えば、「浴室のフロアマットが以前より長く清潔な状態を保てるようになった」という声や、「タイルに繰り返し発生していたカビが完全になくなった」という報告もあります。
B2Bパートナーからも、製品の効果と迅速な供給により、「工事で湿気が多くなった地下室のカビ問題をクライアントが解決できた」というご評価をいただきました。
こうした声は、私たちの成功はユーザーやパートナーの成功と直結しているのだと改めて実感させてくれます。
ILS期間中、参加者はどのようにSprayifyとつながり、製品を知ることができますか?
リハルツ:イベント期間中は、ラトビアパビリオンに常駐しています。私たちの最新の抗菌コーティングを実際にご覧いただき、デモンストレーションやパートナーシップのご相談にも対応いたします。
来場できない方には、Sprayifyウェブサイトで製品情報をご覧いただけるほか、私 rihards@sprayify.me までいつでもご連絡ください。
最後に、Innovation Leaders SummitはSprayifyのアジアや世界での知名度向上と成長にどの程度重要ですか?
リハルツ:ILSは、アジア市場への進出を強化するうえで非常に重要な機会だと考えています。国際的なプレゼンスを高め、潜在的なパートナーや投資家と出会い、地域ニーズを深く理解できる貴重な場です。
アジア市場への参入に向けた最初の一歩として、そしてより清潔で安全な環境づくりに貢献するための新しい協業のきっかけとして、大きな役割を果たしてくれると期待しています。




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